バンド唯一の伊達男 " Taiqui "

Taiqui(タイキ)
<ドラム/パーカッション担当>

“名前も凄いが、個性も強い!”

初めて会ったのは1983年の春、借り住まいだった芦屋の古いマンションに突然Taiqui君はやって来た!

突然と言うのは、いささか強引だが親しかった友人B君と連れ立って京都から遊びに来てくれた。81年一杯で、Ain Sophは一時解散し、暗中模索の頃だった。Ain Sophを応援してくれていた、友人B君とは以前から付き合いが在り、その彼の紹介だった。有り難い友人だ。その友人B君もTaiqui君も、当時は二人とも未だ芸大生だったので、どうもその頃から敬称では呼べない。“君”付けがやはりシックリくる。兎に角、若かった! で、B君が大学で知り合った、Taiqui君の話はずっと聞かされていたので、何となくイメージは出来てはいたが、初めて会った時の印象は、

日本的ではないフェロモンが濃厚だった。やはりフランス的か? しかも、美男子! そのまま、ジャニーズ事務所に行った方が良いくらいのルックスだ。ドラマーでいて、そうでもないような・・・

“やぁ!初めまして!”
とかの軽い挨拶は、突然プログレやジャズ・ロック、女性シンガーの音楽の話に急展開! しかし、名前が凄い!
“大器 = 26インチのベース・ドラムが似合いそうだね?”
なんて冗談で言ってみると、
“そうなんですよ、ベードラは26インチです”
と言うものだから・・・名前は体を表わす!

私が着用していたKate BushのTシャツにも納得! 本当に時間が経つのも忘れるくらいに3人で話し込んだ。Soft Machine, Hatfield, Arti & Mestieri, Gong, Bruford, Atollから、Francoise HardyやSaphoに至る迄・・・

そしてTaiqui君は
“Bellaphonと言うバンドをやってます!”
と言って差し出したのは初めてのデモ・テープだった。

なんとなくヨーロッパ的な雰囲気が濃厚なジャケを見てすぐに音は想像出来た。聴いてみて、納得、未だ未整理な部分もあったが、それ以上に音の輪が感じられた。とてもナイーブなサウンド、ヨーロッパの情景が見えてくる。そして、古都の街、京都の町並みも!

色々とBellaphonの事を伺いながらも、私は
“是非、一度セッションでもやりたいね?”
と言うとTaiqui君も
“是非、やりましょう!”
と言ってくれた。

そう、彼は何時も前向きなのだ。

私は何時も躊躇するが、彼はサラリと何でもやってのける。現在迄、バンドに関しては(Bellaphonも含め)何時も前向きである。この柔軟な感性こそが彼の最大の魅力/個性だと思える。複雑なセクションもシンプルなエイト・ビートも全く屈せずに、やってのける。彼にはやりにくいであろう、リズム・パターンも絶対にイヤとは言わないし、自分なりのアプローチをきっちりと提示してくれる。

暫くしてから、Bellaphonのリハーサルを京都まで見学しに行った。いきなりBrufordの"Hell's Bells"なんかをプレイし始めるからびっくりした。他のメンバーの垣君、田中君そしてベースの小野君、共に初対面、が、何ともリラックスした雰囲気はこちらまで伝わってきた。Taiqui君のちょっと派手なドラミングが印象的、バンドを解散した私にはBellaphonの音が羨ましく思えた。勿論、その後のライヴにも勇んで出向いたのは言うまでもない。

Taiqui君セッションは、その年の秋に実現、翌年のAin Sophの再編成までの1年くらいの間、何度もセッションしたのは懐かしい思い出だ。その時も常に前向きだったTaiqui君の勢いが、当時のAin Sophの再編成に繋がったのかも知れない? いや、きっとそうだ!

そして、それから20年あまり、再び活動を再開しようと昨年、連絡した時も
“Ain Soph再開ですか? 是非やりましょう!”
またしても軽い返事でGo!

本当に私は頭の下がる思いだった。

by Yozox