バンドの最長老!" Masahiro Stanly Torigaki "

鳥垣 正裕
<ベース担当>

“フランク永井の好きな低音親父 ”

“練習場所はあるんだが?”
初めて会った時の鳥垣氏の第一声だった。
“これはラッキー!”
と、即一緒にバンドの結成を目論んだ。
鳥垣氏に初めて会ったのは1975年の早春、確か大阪梅田の阪急ファイヴ1Fの喫茶店だった。

前年末に、レコード・デビューの件で話が込み入り、メンバー間の亀裂が生じ天地創造を一度、解散した矢先、新たなるメンバーを探して、バンドの立て直しを計ろうと友人等にも協力を得てメンバーを探していた。(阿木譲氏主催のモンスター・タイムスへの出演も決まっていた)

鳥垣氏とはその時、友人の紹介で知り合ったドラマーのUMと一緒にバンドを結成しようという事だったので、我々と合流出来ればという話になった。我々とはボーカリストのKと私の二人だ。前年には既に藤川氏ともバンド結成の約束をしていたが、先に我々が会って話をするという事だった。(上手く行けば藤川氏も合流)

私も相当のロング・ヘアーだったが、鳥垣氏に初めて会った時の印象は強烈だった。兎に角、汚い出で立ち! ジーパンは色褪せ、破れている。そして、そして、髪の毛が圧倒的に長い、そして多い!前髪も後ろ髪も、全部長さが一緒だ! これぞロング・ヘアーの古典!
“まるで南沙織のようだ!”(髪型だけ!)
私のロング・ヘアーもボロ負けの迫力!
“ウ〜ン!兎に角凄い!!”
と、音楽の趣味を話してみると、Doobie Brothers, Allman Brothers等が好みで、そういったアメリカン・ロックの色を出したいとの事だ。
ムッムッ! こちらはまったくのブリティッシュ志向のオリジナルを目指している。??? 勿論、私はDoobieもAllmanも好きだったが、バンドでやるのはこれからは絶対にオリジナルだと力説した。鳥垣氏はどうもピンとこない様子だったが、音を出してみないと何も判断出来ないから、取り敢えず、音を出してみようと言う事になった。練習場所は有るのだから!

既にベースはフェンダー・ジャズ・ベース(現在でも使用)を持っていたし、ローランドのアンプも持っているから言う事なしだ。

練習場所は“歌島橋”という大阪市の西で尼崎市との境界線辺りだった。この場所が、それ以降のAin Sophの重要なレパートリーの創作に絶対に必要な場所になるとは思ってもみなかった。(その前の遊歩道では野球も良くしたなぁ〜)

鳥垣氏は物静かな人柄であった。ベース・プレイも音数の少ない、正にベースのお手本ようなプレイ。Ron Carter等のジャズも既に聴いていたし、京都のアン・ミュージックにも行っていたから、楽譜にも強かった。ウッド・ベースも練習していた。私は全く楽譜は読めなかったので、よく教えてもらったりもした。しかし、楽譜の読める人はそれだけで尊敬してしまう。鳥垣氏は何時もサラリとやってのける。私にはパッと譜面を見て、直ぐに楽曲が弾けるのは一生無理だろうなと自信を持って言える。

そして、ある時、音楽の話をしたら、The Venturesをその昔、コピーしていたと・・・
The Venturesは当時のロックを目指す我々には、何ともロック的でない音楽として認識されていたから、ちょっと意外であったが・・・  よくよく聞くと、親戚のメンバーとでバンドを組んで来日したThe Venturesの前座の経験も有ると言うから恐ろしい。(何故かサイド・ギター担当?)現在も、The Ventures Band (CARAVAN FRIENDS)でも活動している。The Venturesのインストが実はAin Sophにも受け継がれているとすれば鳥垣氏の無言の影響力は絶大でもある訳だ。

そして極め付けは、フランク永井を愛聴していたのだからこれも恐ろしい!
“何と!”
同じ低音の音域からか?それともフランク永井の歌が好きなのか? 楽曲か? 今になって理解は出来るが????
“羽田発7時50分”“夜霧に消えたチャコ”“霧子のタンゴ”
う〜ん、今では私もハマリそうである。何とも素敵なムード歌謡!
初めて、鳥垣氏宅に泊まりに行った時、フランク永井のレコードを目撃した時は!!!!!唖然!

バンドの音楽性にも継続にも常に冷静!
“やるしかない!”と言うTaiqui君とはまた違った角度からバンドを客観的に見続け、無言のうちに方向づける彼は、建築で言えば大事な基礎部分だと言える。

30年近く、一緒にプレイしてきて、私の無謀なプレイをよく今迄、我慢してくれたなと思わずにはいられない。

その昔、ファン・クラブ(驚くなかれAin Sophにも存在したのです!)の会報でAin Sophの音楽について
“バンドの音楽は白いキャンパスに描く絵画のようなもの”
とコメントしたのは今でも良く覚えている。まさに我々の音楽を適格に表わしているではないか!

御令嬢のミスYOU嬢は女性ドラマーを目指し一歩一歩前進されているから今後、親子でのリズム・セクションの実現も楽しみだ。詳しくは鳥垣氏のHPを御覧下さい。

The Ventures, Ron Carter, そしてフランク永井とStanly鳥垣氏のルーツもまた強烈である!

by Yozox